さがしもの。
一月前くらいに、ヘンテコな木を見ました。
なんと言うか、種類は分かりませんが、まるで南国の植物のような木です。
それが、山のふもと(?)に、如何にも当たり前のように立って居たのです。
その事を相方に話すと、見たい見たいと言うので、それ程遠くでも無いし、
見せてやろう、と言う事になったのです。
ただ、気懸かりなのは道中の事をさっぱり覚えておらず、
大体の方角は解るけれども、道順も知らない事です。
山のふもと、お寺の近くということだけは覚えていたので、
それを頼りに行く事にしましょう。
もちろん、相方には、迷いながら行くぞ、と言って置きました。
とりあえず外へ出て、駅とは逆の方へ歩き出します。
暫く歩くと、見たことはあるけれども明らかに違う道へ出てしまいました。
うーむ、可笑しいぞ。
でも、見た事があると言う事は通った事があると言う事だから、
違うと言うのも勘違いかも知れない、と思い、とりあえず進んで見る事にしました。
時間は幾らでもあるし、散歩する感覚で家を出たのだから良いだろう、と言う事にして。
木は、山のふもとでお寺の近くなので、静かな場所に在る筈なのですが、
此処は大きな道路沿いで車も多く走っています。
やはり違うのではないか、と思ったところで、自転車保管所へ着きました。
ここへは以前自転車を取りに来た事があり、その時に初めて木を見たのでした。
ああ、思い出した、今来た道はその時の帰り道だったのだ。
道理で見た事がある訳です。
此処から山沿いに歩いていけばお寺があって、木もあるはず。
そう言って、来る時とは別の道を歩き始めました。
色んな道を歩いた方が、散歩としては良いだろう、と言う事にして。
その間に色んな話をしました。
1.5lペットボトルのジュースが自動販売機で売られていた事を珍しがったりしました。
ハトの夫婦が逢引をして居るのを可愛いなあと見ていたりしました。
竹を見て、地面から生えている竹を見るのは生まれて初めてだとか言ったりしました。
瓦屋根の家を見て、ああ、此処は北海道ではないのだなあと思ったりしました。
あんな内地用のやわな造りの家じゃあ、北海道ではとても寒くてだめだから、
北海道には瓦屋根は無いんだとか、そう言う事を話したりしました。
山のふもとで、お寺への階段を見つけました。
と言うことは、此処はあの木の近くと言う事です。
階段は急で高くて、上るのは大変そうでした。
百度参りなんて出来そうも無いなとか話をしました。
さらに進むと、その木がありました。
前に見たよりも若干枯れていましたが、実は大きく黄色くなっていました。
相方は、本当に南国のような木だ、と喜びました。
自分も、改めて見るとすごいなあと思いました。
何でこんな所にこんな木があるのでしょう。
誰かが実を捨てたのでしょうか。
それにしても、南国でもないのに育ってしまうなんて。
関東はなんとも暑い所なのだなあ。
周りの木よりも背は低いのに、その木は葉の広がりのせいか、大変大きく見えました。
相方はカメラ付き携帯電話を持って来なかったのを悔やんでいました。
仕方ないので、そのまま帰る事にしました。
そんなに遠くではないのだから、またの機会にカメラを持って行けば良い、と言う事にして。
書き始めたら、いつのまにか小説風になってしまいました。。
小説としてはつまらないかもしれませんね。
現実は小説よりも奇なりとかいいますが、むしろ現実は小説としては奇なり、というかんじ。。